夏を中心に発生する「ゲリラ豪雨」は、発達した積乱雲によって狭い範囲に短時間で激しい雨が降る現象を指す一般的な呼び方です。
急な大雨には雷や突風を伴うことがあり、落雷、倒木、電線や電力設備の損傷などによって停電が発生する場合があります。
短時間で復旧する停電もありますが、道路の冠水や設備の損傷が重なると、復旧まで時間がかかる可能性もあります。また、大雨による浸水が発生した場合は、電気が戻った後の通電火災にも注意が必要です。
この記事では、ゲリラ豪雨で停電した直後に行うこと、雷から身を守る方法、冷蔵庫やスマートフォンへの対策、浸水時と停電復旧時の注意点を解説します。
この記事でわかること
- ゲリラ豪雨で停電した直後に確認すること
- 雷が鳴っているときの安全な行動
- 冷蔵庫やスマートフォンの電力を守る方法
- 道路冠水や住宅浸水が発生した場合の注意点
- 停電復旧時の通電火災を防ぐ方法
ゲリラ豪雨で停電する主な原因
ゲリラ豪雨に伴う停電は、大雨だけでなく、積乱雲によって発生する雷や突風が関係することがあります。
- 落雷による電力設備の停止や損傷
- 突風や倒木による電線の切断
- 飛来物による電柱や配電設備の損傷
- 道路や設備周辺の冠水
- 住宅内の漏電ブレーカーの作動
周辺の住宅や街灯も消えている場合は、地域一帯で停電している可能性があります。一方、自宅だけが停電している場合は、契約容量を超えた使用、漏電、住宅内設備の異常なども考えられます。
停電した直後に行うこと
まず屋外へ出ず、安全な場所にとどまる
停電の原因を確認するために、雷雨の中で屋外へ出るのは危険です。
雷鳴が聞こえる、空が急に暗くなる、冷たい風が吹く、大粒の雨が降り始めるといった変化は、積乱雲が近づいているサインです。丈夫な建物の中に入り、窓やベランダから離れて雨雲が通過するのを待ちましょう。
屋外にいる場合は、開けた場所、河川敷、グラウンド、屋外プール、高い木の近くなどから速やかに離れます。鉄筋コンクリートの建物や、自動車の車内は比較的安全な場所です。
懐中電灯やLEDランタンを確保する
夜間や室内が暗い場合は、懐中電灯やLEDランタンを点灯します。
移動する際は、床に落ちた物や水濡れした場所がないかを確認してください。スマートフォンのライトは便利ですが、停電情報や気象情報の確認に使う電力を残すため、長時間の照明には専用のライトを使用する方が適しています。
自宅だけの停電か周辺一帯の停電か確認する
安全な室内から、近隣の住宅や街灯も消えているかを確認します。電力会社や地域の送配電事業者が提供する停電情報も確認しましょう。
自宅だけが停電している場合は、分電盤のブレーカーを確認します。ただし、分電盤やその周辺が濡れている場合、焦げ臭い場合、異音や火花がある場合は触れないでください。
発熱する家電の電源を切る
停電直前まで使用していた電気こんろ、IH調理器、アイロン、電気ストーブ、ドライヤーなどは、スイッチを切り、可能であれば電源プラグを抜きます。
電源が復旧したときに家電が突然作動し、周囲の物を加熱する事故を防ぐためです。
分電盤やコンセントが濡れている場合は、素手で触れたり、自分でブレーカーを操作したりしないでください。
雷が鳴っている間に注意すること
窓、壁、電気器具から距離を取る
建物の中は屋外より安全ですが、雷が激しい間は、窓、ベランダ、電気器具、電源コードなどから距離を取ります。
有線接続されたパソコンや家電を操作することも避けましょう。プラグを抜く場合は、雷が近づく前に行うことが重要です。雷鳴が聞こえてから慌ててコンセントへ触れるのは避けてください。
入浴や水回りの使用を控える
雷が非常に近い間は、入浴、シャワー、洗面、洗濯など、水道管や配管設備に接触する行動を控えると安心です。
停電によって給湯器、換気扇、排水ポンプなどが停止する可能性もあるため、水回りの設備が正常に動いているかを確認してから使用してください。
気象情報を確認する
気象庁の高解像度降水ナウキャストや雷ナウキャストを使うと、雨雲や雷の現在位置を確認できます。
局地的な積乱雲による激しい現象は、30分から1時間程度で弱まることもありますが、別の雨雲が続けて発生する場合もあります。雨が一時的に弱まっても、最新情報を確認してから行動しましょう。
停電中のスマートフォン対策
スマートフォンは、停電情報、雨雲の動き、避難情報、家族との連絡を確認する重要な手段です。
停電がどの程度続くか分からない段階では、次の方法で消費電力を抑えます。
- 画面の明るさを下げる
- 省電力モードを使用する
- 不要なアプリを終了する
- Bluetoothや位置情報を必要なときだけ使う
- 動画視聴やゲームを控える
- モバイルバッテリーは必要な分だけ使用する
携帯電話回線が混雑している場合は、通話がつながりにくくなることがあります。緊急でない連絡には、メールやメッセージアプリも活用しましょう。
停電中の冷蔵庫は開けない
停電したら、冷蔵庫と冷凍庫の扉をできるだけ開けないことが基本です。
扉を開けるたびに冷気が外へ逃げ、庫内温度が上昇します。停電が短時間で復旧する場合に備え、最初は中身を取り出さず、そのまま閉めておきましょう。
飲み物や食品を取り出す必要がある場合は、取り出す物を先に決め、短時間で開閉します。
停電が長引く場合
停電が長引き、冷蔵庫内の温度が上がってきた場合は、傷みやすい食品から消費します。
- 生の肉や魚、調理済み食品
- 牛乳や乳製品
- 解凍が始まった冷凍食品
- 野菜、果物、飲料
- 缶詰や常温保存食品
保冷剤、凍らせたペットボトル、クーラーボックスがある場合は、必要な食品を移して保冷します。
食品の安全性は見た目や臭いだけでは判断できないことがあります。長時間ぬるい状態になった肉、魚、乳製品、作り置き料理などは、無理に食べないでください。
関連記事:停電時に冷蔵庫の中身は何時間もつ?食品を守る方法
ポータブル電源を使う場合の注意点
ポータブル電源があれば、スマートフォン、LEDランタン、扇風機、冷蔵庫などへ電力を供給できます。
ただし、大雨の最中は窓際や玄関付近を避け、水がかからない乾燥した場所に設置してください。吸排気口をふさがず、周囲に十分な空間を確保します。
- 濡れた手で本体やプラグに触れない
- 水に濡れたケーブルを接続しない
- 本体を窓際や冠水しやすい床へ置かない
- 定格出力を超える家電を接続しない
- 異臭、異音、膨張、異常な発熱があれば使用を中止する
落雷が続いている間に、屋外へソーラーパネルを出して充電するのは危険です。雨と雷が収まり、周囲の安全を確認してから使用してください。
関連記事:停電時にポータブル電源で使える家電一覧【消費電力別】
道路冠水や床上浸水が発生した場合
冠水した道路へ入らない
ゲリラ豪雨では、短時間で道路やアンダーパスが冠水する場合があります。
水の深さや流れの強さは、暗い場所や濁った水の中では判断できません。徒歩、自転車、バイク、自動車を問わず、冠水した場所へ無理に入らないでください。
停電によって信号機や街灯が消えている場合は、周囲の車や歩行者から見えにくくなります。不要不急の移動を避け、安全な建物内で雨が弱まるのを待ちましょう。
浸水した家電へ通電しない
冷蔵庫、洗濯機、エアコンの室外機、延長コード、コンセントなどが水に浸かった場合は、乾いたように見えても使用しないでください。
家電内部に水分、泥、異物が残っていると、電気が復旧した際にショートや発火が起こる可能性があります。
浸水した家電は自分で試運転せず、メーカー、販売店、電気工事事業者へ相談してください。
避難する場合は安全を最優先にする
河川の増水、内水氾濫、土砂災害などの危険がある場合は、停電への対応よりも避難を優先します。
時間的な余裕があり、分電盤が濡れておらず、安全に操作できる場合は、主幹ブレーカーを切ってから避難します。
すでに床が浸水している、分電盤の周囲が濡れている、焦げ臭い、火花が出ている場合は、ブレーカーに触れず避難してください。
集合住宅で停電した場合の注意点
マンションやアパートでは、停電によって各部屋の照明だけでなく、共用設備が停止する場合があります。
- エレベーター
- 給水ポンプ
- 機械式駐車場
- オートロック
- 共用廊下や階段の照明
- インターホン
停電が予想される状況では、エレベーターの使用を避けます。高層階では給水ポンプの停止によって断水する可能性があるため、飲料水と生活用水も準備しておきましょう。
共用廊下や階段を移動する場合は、懐中電灯やヘッドライトを使用し、濡れた床や段差に注意してください。
停電が復旧したときに確認すること
電気が復旧しても、すぐにすべての家電を動かすのは避けましょう。
家電と電源コードを確認する
次のような異常がないかを確認します。
- 家電やコンセントが水に濡れていないか
- 電源コードやプラグが損傷していないか
- 焦げた跡や変色がないか
- 異臭や異音がないか
- 周囲に可燃物が接触していないか
異常がない家電も、一台ずつ電源プラグを接続し、様子を確認しながら使用します。
通電火災に注意する
停電前に電源が入っていた電熱器具は、復旧時に再び作動する可能性があります。
電気こんろ、IH調理器、電気ストーブ、アイロンなどの周囲に、タオル、衣類、紙類などがないか確認してください。
浸水した家電、焦げ臭い家電、異音がする家電は、電気が復旧しても使用しないでください。
ゲリラ豪雨による停電への備え
ゲリラ豪雨は急に発生するため、天気予報で雨が予想されていない日でも備えが必要です。
| 備える物 | 主な用途 |
|---|---|
| LEDランタン・懐中電灯 | 停電時の室内照明と移動 |
| モバイルバッテリー | スマートフォンの充電 |
| ポータブル電源 | 扇風機、照明、冷蔵庫などへの給電 |
| 携帯ラジオ | 通信障害時の情報収集 |
| 保冷剤・クーラーボックス | 冷蔵食品の一時的な保冷 |
| 飲料水 | 給水ポンプ停止や断水への備え |
| ヘッドライト | 暗い階段や室内で両手を空けて移動 |
| 雷サージ対策機器 | 雷による家電や通信機器への被害軽減 |
関連記事:雷サージ対策|家電・LAN・アンテナを落雷から守る方法
まとめ|停電の確認より先に雷と浸水から身を守る
ゲリラ豪雨で停電したときは、停電の原因を調べるために屋外へ出るのではなく、まず雷、突風、道路冠水から身を守ることが重要です。
安全な建物内で懐中電灯を確保し、電力会社の停電情報と気象庁のナウキャストを確認しましょう。
冷蔵庫はできるだけ開けず、スマートフォンは省電力で使用します。ポータブル電源を使う場合は、雨水が入らない乾燥した場所に置き、濡れたケーブルや家電を接続しないでください。
浸水した家電は、表面が乾いていても自分で通電しないことが大切です。停電復旧後は、家電やコードに異常がないかを確認し、一台ずつ慎重に使用を再開しましょう。




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